夏休みノハジマリ

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寝苦しくて目が覚めた。 時計を見ると、朝の8時を過ぎたところだった。 夏休みだからといって、もう一度寝るなんてことは許されなかった。 10時から、夏休みに入って始めたコンビニのバイトが入っていた。 汗で体中がベタベタする。 シャワーを浴びるため、階段を降りてリビングを覗く。 「おはよー。…って、誰もいないか。」 リビングの扉をしめて、お風呂場に入った。 あたしには兄弟も、父親もいない。 唯一の家族である母は、夏休みも関係なく朝から夜まで働いている。 朝起きて、誰もいないことが小さい頃から当たり前だった。
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