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セントゥーレの平行世界、ベルセンティアは、セントゥーレの天界、魔界のことを示す。
天界には、属性神などの神々と、それを補佐する天使達が住んでいる。
対して、魔界には、悪魔や吸血鬼などの種族が住んでいる。
よくある話とは違い、2界の仲は別に悪くはない。
その理由としては、現在の魔界を統べる王、すなわち魔王が争いを良しとしないからである。
そんな争い嫌いの魔王だが、その力は歴代最強と謳われている。
そもそも、魔王は血統ではなく、前魔王が崩御、もしくは、隠居した際に開かれる、魔界闘技祭で優勝した者がなるからである。
その闘技祭で優勝した者、すなわち現魔王の、レイヴン・ウォルクは、魔王城の最上階にある、自室の窓から、魔界を眺めていた。
「今日も今日とて平和だな」
窓から見える空は赤黒く、沈むことのない月は怪しげな赤紫。
人界、すなわち、セントゥーレに住むヒトからしたら、平和になんか見えようもない空であるが、魔界の人々からしたら、この空が普通なのだ。
サァ、と涼しい風がレイヴンの銀色の長い髪を揺らす。
ふと、開いた瞳は、右は月と同じ赤紫をしている。
しかし、左は鮮やかな紫色をしており、不思議な雰囲気をまとっていた。
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