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「大体なんで、探偵団の団長である七瀬がまだ来てないのよ!
あの琉華だって来てるのよ!?」
確かに、探偵団を立ち上げた張本人である神科七瀬の姿が見当たらない。
「・・・ねー、アスカ。
流石にルカちゃん傷つくよ?」
「黙れ。」
いつも、周囲を制裁するポジションにいるアスカだが、この時は一段とキレていた。
そんな時、思い切りタイミングの悪い彼女は・・・。
「おっはよー♪えっへー串カツ食ってて遅れちゃった☆」
「なっ・・・七瀬!?しーっっ!!」
先程まで起こっていた事など知る由もない七瀬は、思い切り空気の読めていない発言をする。
流石にまずいと思った義隆は、七瀬を止めに入る。
だが、そんな発言をアスカが聞き逃すはずもなく・・・。
「えぇ・・・そうね。七瀬の串カツ好きは皆が知っているわ。
だけど・・・遅刻したことに悪びれもなく・・・ってのはおかしいわよね・・・?」
「へ・・・?アスカさん・・・なんでそんな怒っていらっしゃるのかな・・・?
あっ、あー!さっきね、下に依頼主がいたの!だから扉の向こうで待っててもらってるんだよね!
あー、連れてこないといけないね!」
七瀬のその言葉に、ニコリと微笑んだアスカは、右腕を横にピッ、と伸ばした。
「そう・・・じゃあ早くお出迎えしないといけないわね・・・。」
アスカの右手の指先に、薄い青のオーラが漂い始める。
「あ、アスカちゃん・・・!」
「・・・短時間でみるみる大量の水気(すいき)が・・・!」
水を司る龍であるアスカは、水気を集めることが出来る。
それに術を込め、多彩な技に変えるのだ。
「あ、あー私火気の妖怪なんですよねー・・・」
「えぇ、知ってますよ。歯ァ食い縛れッ!!
水波-散-(みずなみ さん)!!」
術の名称を叫ぶとともに、水気が集まった右腕を思い切り前方に振りかざす。
すると、水気が波のようになり、七瀬に向けてのみ飛び散った。
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