1話目

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月日は経って、やがて少女は高校生となった。 未だに毎日彼のところに通い詰めているため、彼女は自分の高校で噂の的となっていた。 実はあの嘘吐きとデキているのではないか、と。 でも、彼女にそんなことは関係なかった。 彼の作業を見ているときが、一番何となく落ち着く気がしていたのである。 そしてある日、彼女は、毎日している質問を、今日もしようと決めていた。 でも、しなかった。 いや、出来なかった。 作業場の扉を開けた瞬間、矢のように私の元に彼が駆け寄ってきたのだ。 そして、光の三原色を知っているかと私に尋ねた。 私は、未だにドキドキとしている体をよそに、知っていると答えた。 すると彼は、驚くような一言を発した。 黒い光を発明した、と。 彼女は疑わなかった。 彼が言っているんだから、嘘ではないんだろうと思ったのだ。 彼は彼女の手を引き、作業台まで連れていった。 台の上には、小型の懐中電灯らしき物があった。 これがきっと、黒い光の光源なのだろう。 彼はそれを手に取り、壁際にあった本棚を照らした。 いや、性格には、消した。 照らされているのだろう丸く切り取られた部分が、まるで墨を垂らしたかのように、真っ黒に染まっていた。 彼女には、凄い、と言う余裕すらなかった。 大丈夫?という彼の言葉で、私は我を取り戻した。 私は、これを何に使おうとしているのか尋ねた。 彼は、にこやかに微笑み、明日のお楽しみだとだけ言った。
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