1話目

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次の日になった。 一応、登校はしたものの、彼の言葉が気になって仕方なかった彼女には、授業はただの焦らしでしかなかった。 彼女は、学校終了後、急いでいつもの作業場に行った。 彼は、彼女を待っていた。 いったい何を作ったの?、と私は聞いた。 『色眼鏡』 それが、彼の発明品の名だった。 どうも、かけると面白いことが起こるというのだが、肝心な、面白いこと、をまだ教えてはくれなかった。 彼に、この町で一番高い丘の上に行こう、と言われた。 私には、ついて行くという選択肢しかなかった。 そこは、芝生のきれいな場所。 小学校の遠足以来来ていなかった私は、意外と景色が良いことに驚いた。 町全体を見渡すことができる位置に立った彼は、彼女に質問をした。 この町は、平和だと思うか。 私には、真意が全くわからなかったが、取り敢えず頷いた。 そこで彼は、やっと発明品の全貌を明かしてくれた。 この眼鏡をかけると、見たもの全てから、それらに見合った色の光が見える。 例えば、怒っている人からは赤い光、笑っている人からは黄色っぽい光、という具合に。 私は、なんと言って良いかわからなかった。 彼は目を細め、眼下にある町を見渡し━━━━━━ そして、手に持っていたその発明品をかけた。
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