第二章「カンケイ」

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今日の放課後も麻衣ちゃんと帰りました。 帰り道でも麻衣ちゃんの様子はいつもと同じでした。 あたしが言ったたわいもない話に反応してくれて。 歩くのが遅いあたしに歩調を合わせてくれて。 無意識かもしれないけど、麻衣ちゃんはそんな細かいことによく気付きます。 だから少し冷たいところがあっても、嫌味とかには感じなくて。 だからこそ、彼女の周りには人が集まります。 「麻衣ちゃん、じゃあね」 「ええ」 でも、麻衣ちゃんが自分の側に人が集まってほしくないと思ってるのをあたしは知っています。 何も言わない彼女だから。 おそらく気付いてるのはあたしだけ。 凛とした優等生の皮をかぶった麻衣ちゃん。 本当は分かってる。 麻衣ちゃんは、あたしの事を…。
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