第三章「レキサツ」

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その後、すぐに警察がやって来て私は簡単な事情聴取をされて解放された。 下手に動揺したフリをすると病院に連れていかされる気がしたので、顛末を簡単に説明し私はさっさと立ち去る。誰かに呼び止められた気もしたが、振り返る事はしなかった。 自分の服が血で汚れていることを思い出したのは、家に帰った後だった。 汚らしい血は白いブラウスに茶色いシミとなっている。 私はその時着ていた服を全てゴミ袋に入れた。 下着を脱ぎ捨て裸になった私は立ち鏡を見る。 胸は控えめだがしっかり引き締まった私の身体。 この身体の中にはバラバラになった女性と同じ「もの」が入っている。 そう考えただけで何とも言えない快感が身体中を駆け巡る。 これが、生きてるって感じ…? 夕食を済ませ、シャワーを浴びると時刻は23時をまわっていた。 氷をまんべんなく入れたグラスに紅茶を一気に注ぐ。にごりのないアイスティーを作るには、紅茶を急激に冷やす必要がある。 作ったアイスティーを一息で飲み干し、私は外に出た。行き先はもちろん、スバルのいる川原だ。
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