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慌ててミヤコの携帯にかける
「ちょっと!私、あんたの友達なんて知ら……」
『おかけになった電話は電源が入ってないか電波の届かない……』
使えない!
まさかまさかこの現代日本で携帯の電波の届かない場所なんてある訳ないよね!伊勢って観光地でしょ?秘境とか魔境に来た訳じゃないよね
てか。友達の携帯番号くらい入れておいてよ……
パニックから諦めに移行して、私はぬるいビールを開ける
ミヤコが捕まらなかったら、お伊勢さんの1人旅なんてのも悪くない
田んぼだらけの全く変わらない風景を見ながらビールを飲んでるうちに駅に着いた
行く前に約束してた通り、北口に出るとミヤコの友人はすぐに分かった
多分、あの人だよね?
だって、他に人いないし!
「あの……。ミヤコの?」
おずおずと声を掛けると、ミヤコの友人と言う男性は表情を明るくした
「ごめんなぁ。俺もいきなりミヤコから頼まれて、よう分からんかったもんで。東京からやて?遠い所からご苦労さん」
日に焼けた肌に、爽やかな笑顔。結構好みかも
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