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「謝らんでもええよ。ほら、着いたで」
牡蠣の食べ放題。さっきの話を聞いてると、食べ放題なんて迷惑じゃないのかな?なんて考えちゃう
自然相手って綺麗なだけじゃ済まないんだ……
「なんや、えらい別嬪さん連れとんなぁ。彼女か?アキラにはもったいないわ。おいちゃんがもっとええ奴紹介したろか?」
「うっさいわ。彼女や無くてミヤコん連れや。んなもんどうでもええから、食べ放題3人分や」
「アキラは車やろ?姉ちゃんにはビールご馳走したろ。飲めるやろ?」
おじさんは屈託のない笑顔で私に笑いかける。多分、アキラさんから聞いて無かったら、一緒に笑ってた
私の知らない場所まで津波の被害があって、ニュースにならない場所でこのおじさんはずっと苦労していたのに……
「東京からやて?遠かったやろ」
新幹線に乗って、近鉄に乗って、更に車で1時間
「この辺って電車無いんですか?今日はアキラさんに乗せて貰ったけど、1人じゃ来れないですよね」
「まあ、バスはあるけどなぁ。大きな荷物や不便やろ。まあ、今度から言うてくれたら、ミヤコもおるしアキラもおるし、おっちゃんもおるから迎えに行ったるわ」
おじさんは笑ってビールを缶のまま渡してくれた
「これはおっちゃんのおごり。何本でも飲んでな」
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