7人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんや、もう始めとったん?」
ミヤコが来た。ごつい長靴を履いて、東京にいた時には寝る時ですら着てるのを見た事もないジャージに工事現場のおじさんみたいなジャンパーを着ている
「あ、ええな。ビール。うちも頂戴さ」
「あかん。ミヤコも車やろ?」
「兄貴が戻って来たから送ってもろた」
なんだか別人みたい
「遠かったやろ?ごめんな。兄貴の嫁さんが子ども産まれるって病院に行ったもんで、家にお父やんしか残ってへんだのに、お客さんが入ってもうてさ。あ。うち釣り堀やっとんのやけどな?」
缶ビールをぶつけて乾杯
「うん。遠くてビックリした」
「まだこの辺はええ方やよ?熊野や尾鷲辺りまで行ったら、もう秘境の域や。あすこはもう三重県やない」
「これで近いの!?熊野古道行ってみたかったのに!」
「熊野古道やったら、大阪のが近いんとちゃう?」
「また、のんびり来ればええさ」
アキラさんが私に笑いかけてくれた
そっか。次もあるんだよね
大量の牡蠣と、ビールで昼間っから宴会が始まる
「あ、お父やんがうちの友達が来んのと初孫が出来たからって、夕飯凄い気合い入っとるから、あんまり食べると夕飯入らへんかも」
って!言うの遅すぎる!
最初のコメントを投稿しよう!