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結局、夕方まで牡蠣を食べてビールを飲み、ミヤコの家に移動して更に宴会
子供が産まれたお祝いだって、近所の人も集まっての大宴会になった
「あのおっさんら、よう飲むわ」
散々日本酒を注がれて、困ってた私をミヤコが「台所手伝って」と助け出してくれた
「あ、せや。この辺、星綺麗やよ?見に行く?」
コートを着込んで出た外は、想像してたよりも遥かに綺麗な満天の星空だった
「失恋の痛手はもう乗り越えたみたいやな」
そう言えば……。なんか、今日1日いろんな事に振り回されて、無くした恋の事なんか考える暇が無かった
「アキラさんってちょっと良いよね」
まだ恋って訳じゃないけど、あんまりにも綺麗な星空だったから、ついそんな告白
「それに、ここも好きだな」
ミヤコもアキラさんと同じような乾いた笑いを浮かべた
「アキラさんから原発とか災害の話は聞いたし、ミヤコのお父さんから、町に産婦人科が無くて困るって話も聞いた。でも、やっぱり皆良い人ばっかだし、好きになるなって方がおかしいよ」
「ま、うちもここは好きやで?多分、いつかは戻ると思うし」
「大変だなって話を聞くと、どんな顔したら良いのか分かんないんだけどね」
私も困ったように笑う
「楽しそうに笑って、また来てくれたら、それでええんとちゃう?」
ミヤコは星空を眺めながら、それでも力強く笑った
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