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「本当に?」
「ああ、本当さ」
それに対し、緋雨もまっすぐにその眼を見て答えた。
お互いに数秒見詰め合っているうちに、緋雨は恥ずかしくなってしまい眼をそらす。なずなはそんな緋雨を不思議そうな眼で見てから、何かを思い出したかのように再び質問をした。
「緋雨の起源は『血』……それって、どんな能力なの?」
「ああ、それなら――――」
そこまで言いかけたところで、緋雨は真実を述べるべきか否かを悩んだ。
『助けに来てくれてありがとう』
その言葉が緋雨の心に響く。
初めこそ、不死ならば目立った行動をするまでも無く血液の供給源を得られる。そんな利用しようと思う気持ちと、本当に助けたいと言う気持ちが存在していた。
だがそれは、結論だけを言うと利用するためだけに助けたと言うことになる。
つまり緋雨がなずなにしようと思っていたことは、今までなずなが囚われていたところの人間がなずなにしてきてことと変化がないということ。
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