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「あ、姐さんが泣いている?!この野郎、何者だ!?」
先程まで怯えていた特攻服を着た女子等数人は、今度は驚き少年を睨んだ。しかし少年はそれを無視して彼女と同じ目線までしゃがみ込み、手を差し延べる。
「あの」
「お願い…私と付き合って……下さい…」
すると彼女は少年の手では無く、袖を両手で掴んで涙を必死に堪える様にそう言ってきた。
「……いいじゃないですか」
少年はただ一言そう言った。
「え……」
ハッとした様に目を開き、少年を見上げる彼女。すると少年が頬を緩め笑顔になって微笑む。
「ヤンキーだろうと暴走族だろうとヤクザだろうと、あなたはあなたじゃないですか。僕はあなたの様な人、好きですよ」
その言葉を聞いて、彼女の頬に一粒の涙がスッと流れた。
「ほ…本当…?」
「はい、本当です」
そして雰囲気が良くなる二人、しかしそれもすぐに終わりを迎えた。
「テメェ姐さんに何しやがった!?ブッ殺すぞコラ!」
「その手を離せ!汚らわしい手で姐さんに触れるな!!」
ピクッ。
「テメェみたいな平凡な男に姐さんは負けないんだよこの中途半端男!!」
ピクピクッ。
「お前みたいな奴はモテもしないんだろうな!きっと好きになる奴はブサイクな奴だろ!!」
ブチッ。
彼女の何かが切れました。
「テメェ等コイツの事悪く言ってんじゃねぇえ!ブッ殺してやるぅう!!」
そして、桜の木の下で行われた彼女の渾身の告白は血の海となって終わったとさ。
彼女、澄子の手下のレディースの彼女等はその後仲良く病院送りになりました。
不思議な事に当時の記憶は消えて無くなっていたらしい。
これが「桜の木の下で最強スケバン告白伝説」の全容である。
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