前日。

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「えっ…?」 それは式典での出来事。 「そんな…」 何故しょんぼりするようなことは続くのだろーか。 学校での唯一の友達 であり 図書館司書の仁藤晴子先生が結婚で秋田の田舎に引っ越すため退職してしまうらしいのだ。 ガーン… 式典が終わり、教室に戻る途中。 「晴先生…」 歩きながら話しかける。 「…ごめんね。何か言いづらくて。」 笑う晴先生。 左手には綺麗な指輪が輝いてる。 「こちらこそごめんなさい。」 おめでとう、も言えなくて。 「相手の方はどんななんですか?」 「…うーん、カッコよくはないけど…一緒に居て落ち着く人なの。」 …そういうのがタイプ、って前も言ってたっけ。 居たんじゃん。ドストライクが。 歩いてるうちに教室が近くなる。 「じゃあ、先生お幸せに。」 そう言ったら晴先生は満面の笑みで言った。
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