支配する生徒会

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「継続は力なり! コツコツと地道にやってこそ、栄光を得られるのよ!」 会長がいつものように何処かの本の受け売りを偉そうに語っていた。 近頃、名言のマンネリ化が進む中で今回の発言は無難というか、妥当というか……いつもの会長にしてはまあ当たり障りのないものだった。 知弦さんはその言葉に最初に反応を示した。 「あら、アカちゃん。今日は珍しくもっともなこと言うのね」 「ふふん。今日のわたしは一味違うのよ」 発展途上というよりもはや再起不能ともとれる、慎ましやかな胸をこれでもかと張る会長を見て、若干の微笑ましさを感じる生徒会一同。 ちょっとしたドヤ顔に、多少イラッとしたものの、大人な俺たちは衝動を抑え、会長の格言に意見を添えた。 「まぁ、確かにその言葉はもっともですけど……会長が言うとどうも説得力ないですよねぇ」 「なっ!? そんなことないよっ。私だって継続してることだってあるよっ」 「例えば?」 「お父さんの肩たたきとか」 『…………』 空気が死んだかのように思えた。 その誇らしげな態度は一周して脱帽ものだ。全員がもはや呆れて言葉すら見つからなかった。 「まぁ、アカちゃんのプライベートでの活躍はまたの機会に聞くとして。私たちからしてみれば、アカちゃんの日頃の行いからして格言とは程遠いわよね。主に勉強面で」 「うぐっ。あ、明日からがんばるもん!」 そう言うやつはいつまで経っても頑張らないのは、世の中のセオリーだろう。 「その言葉を聞くと、会長さんが将来ニートになるんじゃないかと真冬は心配です」 「がーん。ニート予備軍の真冬ちゃんに言われた……」 真冬ちゃんも俺と似たような意見だったようだ。唯一の一年生による容赦ない一言に会長は両手両膝を床につけて沈み込んでしまった。 擬音的に言うと「ずーん…」みたいな。ちょうど会長の姿勢でいうと「orz 」←こんな感じで。 小文字なところがまたちっこい容姿の会長に似合っていた。 まぁ、そこはあえて言わないけど。後が怖いし。 とりあえず、今の会長の相手をするのは些か面倒なので、攻略対象を真冬ちゃんに切り替えることにした。
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