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「でも確かにニート予備軍の筆頭である真冬ちゃんに言われると俺もさすがに堪えるよなぁ」
「そこまでですか!? 先輩、今真冬を攻略してるんじゃないんですか!?」
「あれ?真冬ちゃん、俺の思ってることよくわかったね」
「真冬は先輩に告白したんですよ? それくらいできますよ」
「成長したなぁ、真冬ちゃん」
まだまだこれからだとばかり思っていたのに。色んな意味で。
「おいこら鍵。今真冬のこと変な目で見てただろ」
俺の隣に座る深夏が、先ほどから読んでいたラノベから顔を上げ、白い目で見つめてくる。
「はっはっはっ。深夏、寂しいなら寂しいと言えばいいのに。そしたら、俺がこう優しくギュッとし」
「いや別にあたしは寂しくねーし」
「あ、そうですか……」
寂しいと死んでしまうウサギの気持ちが、今ならわかる気がした。
そんな俺を見た後、深夏は天井に視線を移すと、
「ああ、でもあたしからギュッとしてやるのはいいかもな」
「マジっすか、深夏! いや、深夏様!」
「おぅ! なんで下手(シタテ)に出てるのかは疑問だが、あたしに任せろ! 初めて惚れた異性だしなっ。これでも鍵のことは解ってるつもりだ」
「ぐすん……。深夏ぅ、俺……おれぇ…」
「おーおー、よしよし」
頭を優しく撫でられ、もはやされるがままになる俺。
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