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いやー、保護欲をかき立てるね。
知弦さんなんか恍惚めいた顔で「アカちゃん可愛いアカちゃん可愛いアカちゃん可愛い」って呪いのように呟いてるし。
超怖いっすよ、マジで。
うん、まぁ可愛いからそれも仕方ないことだ。
可愛いは罪であり、同時に可愛いければ何をしても赦される。
そんな矛盾が生じてることさえも最早どうでもいいかのように、尚もお構い無しに会長を愛でる俺。
愛娘を可愛がる父親の心境ってこんななんだなぁとしみじみと浸ってみたり
。
数分が計画し、俺たちの全面攻撃からやっと立ち直った会長は、こほん、と可愛い咳払いを一つすると、改めて宣言した。
「今こそオールナイト全時空を広めるチャンスなのよ!」
『……………』
全世界が停止したかのように思えた。
えっと……なに? え、今なにが起きたの?
会長の発言にいまいち思考が追い付いていない俺は、この唐突な状況を飲み込めているであろうハーレムメンバーに戸惑いの視線を送ってみた。
『…………』
だめだ――――っ!
全員まったく理解していないじゃないか!
というか、真冬ちゃんはうつむきながら携帯ゲームをカチカチと操作しているし。
こころなしか真冬は何も聞いてませんよー、と距離を置いているようだ。
そうきたか、チクショウ!
隣に座る深夏は先程読んでいたラノベ再び手にすると、何事もなかったかのように読み始め―――って、あぁっ!本が 逆さまになってる! なんてわざとらしいんだっ。
戸惑いを隠しきれてないにも程があるだろ!
しかも口笛なんか吹いてるし!
うーわっ、こんなマンガみたいなリアクションするやつ初めて見た!
というか気付けよ、本が逆さまなことくらい!
くそぅ、真冬ちゃんと同じく深夏さえもダメか。
さすが姉妹だ。やってることも同じでいやがる。
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