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【人】
「ごめん、ごめん」
俺は苦笑いを浮かべながら、松来さんの白くもふもふした身体をそっと抱き上げる。
すると松来さんは、また「ニャー」と可愛く鳴くと俺に身体を預けてきた。
【猫】
慰めてと言わんばかりに見つめていると、ご主人は「ごめん」と一言謝って、わたしを抱き上げた。
「もう!しょうがないんだから。そのぐらいじゃ、許してあげないんだからねっ!」
【人】
その後、松来さんと一階に降りて松来さんに朝ごはんを用意してやり、二人ならんで(もちろん松来さんは地面、俺は椅子)朝食を摂り、家を出た。
今日は始業式だ。お祭り委員長の俺が遅刻するわけにはいかない。
【猫】
ご主人とならんで(わたしは地面、ご主人は椅子)朝ご飯を食べる。
しばらくして、ご主人はいそいそして出掛けて行ってしまった。
もう春休みというものは終わってしまったらしい。
玄関でご主人を見送ると、わたしは再びご主人の部屋へ。まだご主人の温かさが残る布団に入り込み、ご主人の帰りを寝て待つことにする。その間、わたしは人になる夢をみた。
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