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【人】
始業式が終わると、後ろから話かけてくる女がいた。
幼なじみの山田 覇那だった。
「こ、今年も同じクラスだったわね!」
「そうか。よろしくな」
そう。おそらくコイツは一年の終わりから、三組の伊集院 ジョン・バルデス君のことが好きだったから、クラスが離れて残念なんだろうな…(伊集院君は今年も三組、俺たちは一組)
【伊集院 ジョン・バルデス】
「あいやー、べさんでぃぬーどー。どべんねがん三組、でぃぼぼらはん」
【猫】
玄関が開いた。わたしはどれくらい寝ていたのだろう。なんて考えていると、ご主人が部屋のドアを開けた。
すぐさま
「寂しかったんだから…」
と言いながら、足元にすり寄る。人がこれを見たら、『すり寄れ、ニャル子』さんとでも言うのかしら。
【人】
始業式を終えた俺が家に帰り部屋に入ると、ベッドから寝起きらしき松来さんが出てきた。
そして、「ニャー」と鳴きながら俺の足元に這い寄ってきた。
さしずめ『這いよれ!松来さん』だ。
ご飯でもねだっているのだろうか。
【猫】
あの女のニオイがする。わたしがこの家に来た三年前から、我が物顔でご主人を独占する、さらさらロング、ナイアガラの女。
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