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「具合は大丈夫?」
おふくろ、貴子が心配していた。
親父、信夫は賢二が幼いころに事故で亡くなっていた。
まさかおふくろが心配して来てるとは思わなかった。
賢二という男は、短気で頑固で、傍若無人で自分の想いを貫き通す、まさに、鉄砲玉みたいな性格だった。
その性格もあり家族とは長い間会っていない。
そのため賢二は驚いていた。
「別に来てくれなくてもよかったわい。」
賢二は怪訝そうに言った。
「電話がかかってきて、、、」
貴子が携帯電話を手に取り言った。
その後何分か無言状態が続いた。
医者らしき人が来て賢二と話したいと言った。
なんだか深刻そうな顔だった。
「山下さん落ち着いて聞いてください。」
医者は神妙な顔をしていた。
医者と二人きりになって話を聞いていた。
余命半年、保って一年。なんだか病名は難しかったが、頭の病気らしい。
賢二は驚きのあまり言葉が出なかった。
「治らないのか?」
賢二は諦め半分で聞いた。
「残念ながら、、」
医者はつらそうに言った。
賢二は愕然とした。
その夜は眠れなかった。
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