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「お客さん、お客さん!終点ですよ、ちょっと起きてください、お客さん。」
「ううぅ、あっ、完全に寝てたな、ここは終点か!?」
賢二は運転手に起こされ、目を覚ました。
荷物をとりバスを降りた。
そしたら久しぶりの土の匂いがした。
バスを降りるとそこには、瓦屋根の家がぽつんぽつんと並び、その周りには山々が連なり、田んぼと川に囲まれた小さな村があった。
その雰囲気は、朝霧に包まれ、ひとを寄せつけぬような神秘的で、初夏だったせいか蝉の鳴き声が山中に響き渡っていた。
大自然とはまさにこのことだ。
「すげえな、少しあちぃ。」
賢二はどこか休憩できるところがないか、辺りを見渡していた。
すると、川の近くにちょうど良さそうな木の小陰を見つけ、少し横になった。
横になっていたら、また眠ってしまっていた。
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