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オレが転職や転勤を繰り返しながら東京に住んでた頃、弟は出張で東京に来たついでに2度、会いに来た事があった。
都会の魅力や利便性にドップリつかり、フラフラして落ち着かない長男のオレに対し、弟は自分の将来設計を語りながら両親を気遣う発言。意外でもあり、また感心のあまり、おもわす…
「なんか、お前の方が長男みたいだなぁ。」
なんて言った事もあった。
ひょっとしたら、あの頃から弟はオレに「親元にいて欲しい」と思ってたのかもしれない。
また、弟は一時期「グラフィックデザイナーになりたい!」という夢を語りつつも、将来を見据えた時にそれが正しいか迷って相談される事もあった。結局は断念したが、もしあの時、弟が転職してたらどうなっただろう…。
数年後、オレの入院・手術、両親からの懇願、その両親が相次いでケガや病気の早期発見などもキッカケとなり、オレの帰郷は実現する事になる。
しかしその一方で、弟がオレの帰郷とほぼ同時くらいに、アイツの運命を激変させる「死神」のカウントダウンが始まる事など、その時は想像もしなかった。
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