発病

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発病して一年半ほど経った頃だろうか。 病状が良くなったのか、なんと弟から、例の叱咤でオレが連絡を全くとらなくなったのを気にしてか、謝りの📱がきた。 今思えば決して回復したのではなく、また「躁」になってたのだ。 謝ってくるなんて、あまりにも意外だったが弟がとても素直な口調で、何だかとても気持ちよかったのを覚えている。 そしてアイツが年始にYサンを連れて帰省する際に、兄弟3人で両親の還暦祝い&誕生日プレゼントを一緒に買おうと言い出した。 何がいいか迷ってる様子だったから「そう言えば…」とオレは思い出し、弟に提案。帰郷して両親と会う機会が増えてたため心当たりがあった。 即・決まって内1つを買いにオレが地元で働いてる店にYサンと来た。彼女と会うのはこれが2度目だった。 来店して買い物を済ませた後、オレはまだ休憩じゃなかったのだが、弟は「そんなのイイじゃん⤴」とばかりにもう一つを買いに、一緒に行こうと勧めるため、早めの昼休憩をもらい3人でちょっと外出した。 一緒に両親へのプレゼントを選ぶ…そんな事、後にも先にもこれが最後だったが、何だか嬉しかった。 また、これもYサンから後で聞いたのだが、この買い物の際、妹は仕事で同行出来なかったため、弟が立て替えたのだが、妹もすっかり忘れてたようで最後まで回収出来ず、弟は気にしてたらしい。 忘れっぽいオレは弟におもわす「オレはちゃんと払ったよなぁ⁉」と反射的に聞いてしまって「ハッ!」とした。 魂の無い「弟と同じ形をしたモノ」に…。
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