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僕の大学でF・ロビンソン博士の講義が開講されることになった
参加は抽選で10名、それがロビンソン博士のいつものやり方だった。
そして僕は選ばれた
これは運命だと思った。
そして講義後、彼の下を訪れた。
彼は普段から人を周りに寄せつけない
だからそれはいとも簡単にできた。
「なんの用だい?
と形式的に聞いておこうか。」
「あなたは全てを知っている、間違いありませんね?」
「あぁ、間違いないよ
だから君が来ることも今君が何を考えているかも知っている。」
「けれど教える訳にはいかない
なぜなら、私が誰かになにかを教えることによって世界が壊れかねないからね。」
「僕が聞こうとしてることが
世界を救うことに繋がるかもしれないのに?」
「あぁ」
「そうですか……」
カチャリと黒い物体を博士に向ける
それは重くて、冷たくて。
「……しかし、
このことに気づいてるのは君と僕だけだ
そして君がこれを悪用しないのも知っている
だから特別に教えよう。」
「答えは、ノーだ
愛は永久機関にはなりえないんだよ。」
「……なぜですか?」
「愛は決して君が思っているほど、純粋なものではないんだ。
時には今の君のように凶器になり、あるいは彼女のように誰かを溺れさせてしまい、もしくは自分の首を絞めることもある
君の愛は美しすぎる。」
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