一章

3/12
前へ
/189ページ
次へ
「こんな不良高校でまともな勉強できなくて、あなた将来どうするの?」 「そんなの柚月だって同じじゃん。考えてるの?」 「別に考えてはないけど、私は沙羅と違ってそんなおバカさんじゃなくてよ」 「う.....」 「とにかく私は帰るから、何かあったら電話して。じゃ、また明日ね」 「ちょ、柚月ー!」 私は沙羅を無視して、教室をでた。 しかし、どこかに行こうともアテはなく、ただフラリと歩き出し、気づいたときには、海沿いの道路をあるいていた。 潮風にあたっているうちに、私はなんだか切ない気持ちになった。 だが困ったことに、切なさの原因がいっこうにわからず、むしゃくしゃした私は制服のまま地べたに座り込んだ。 そして隠し持っていたタバコをポケットから取り出すと、ライターで火をつけ口に運んだ。 「…(フゥー…)…」
/189ページ

最初のコメントを投稿しよう!

130人が本棚に入れています
本棚に追加