【HERO】P.987のその後のエピソード

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祐樹はコンビ二の裏にある、趣のあるたたずまいの店ののれんをくぐった。 「いらっしゃーい」 白衣を着た年配の女性の、威勢の良い声が響く。 高校の時から行きつけのこの店も昼時は混雑していた。 「ごめんねー、相席でいい?」 「いいですよー」 顔なじみの女性に案内させれた席に着き、先客の男性に声をかける。 「すんませーん、おじゃましま……あ」 「……何だ、祐樹か」 同じ席の黒いジャージを着た若い男は、てっきり城玉大学の学生かと思っていたが。 「何だとは、何だ」 「さっさと注文して、食えよ。あと15分しかないぞ」 「俺、5時限目授業ないから」 「15分で戻るぞ」 「へいへい。すんまーん、唐揚げ定食大盛り~」 祐樹は、融通の利かない、くそ真面目な同僚、有馬孝太郎と相席してしまった不運を、こっそり嘆くのであった。 「お前、昔から唐揚げ定食大盛りだな」 「お前こそ、どうせ生姜焼きだったんだろ」 「……とっとと食えよ」 「当りだろ?」 2人は高校時代から、この店に通い続けている。 そして注文するメニューも同じ。 「たまには違うもん食ったら?孝太郎ちゃん」 「あと10分だ」
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