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血をタラフク吸うと体長が5倍以上に膨れているようだ。 おぞましいことに…小原さんの肌全体に、こびり付いてるのは信じられないほど大量の数の吸血蛭の群れだった。 小原さんが危険すぎる……小原さんは、カラダ全体に無数の大型のヒルに密着され、そのすべてから吸血されている。 体全体から血を吸われ…恐ろしいことに、傷跡から出血する血はヒルの唾液の成分がある限り凝固することなく止まらない。 こんなに身体全体をヒルに密集されては皮膚呼吸だってできなくなる。 私は怒りに任せてライターで片っ端から炙ってみた……… 小原さんのカラダからボロボロ、蛭は血を吐きながら落ちていく。 ヒルが剥がれた皮膚からは血が噴き出し……新手のヒルが、その剥き出しの皮膚に食らいつく。 きりがなかった。 足元をみると四方八方から無数のヒルが伸び縮みを繰り返しながら、小原さんと私を目指してウヨウヨと集まってきた。 血を垂れ流し続けている私の股間を狙ってか、数匹のヒルが私の足下から伸縮しながらスルスルと脚を這い上がってきた。 私は小原さんに申し訳なくて、蛭が私の秘部に張り付くのを拒まなかった。 私はどうなってもいいが……このままでは小原さんは出血多量で命が危険だ。 何匹ものヒルが…私の太腿から股間にかけて食らいつき血を貪り、膨張していくのが解った。 なんとも異様な感触が私の恥部を翻弄し蠢くのだが…ヒルの唾液の麻酔効果で痛みはまるでない。 私には、もう、自分を守ろうとする気など微塵もなかった。 小原さんを救わなければ…… 私はふと、小原さんの顔を見てみた。 ヒルは小原さんの首までビッチリたかっていたが顔は避けているようだ。 多分、小原さんのファンデーションか化粧水あたりがヒルの好みじゃないのかも…… 小原さんの顔は、いまだに美しかったが、大量に出血してるせいか、肌が青白くなっていた。 私はドキッとした。 小原さんが目を開けていたのだ。 いつ、目を覚ましていたのか……小原さんは状況を総て理解しているのか……それとも、なにも解っていないのか……安らいだ顔をしていて、とても静かだった。 私の目から大粒の涙が零れ落ち、それからは、とめどなく涙が溢れ出た。 私は泣きながら小原さんに謝った。image=440433085.jpg
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