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19:55
私が虚しい作業をやってる間でさえも……小原さんは全身から血を吸われ続け、無駄に血を流し続けている……
小原さんの顔は真っ青になっているし、異様にやせ細っている……もう意識もないようだ。
私は小原さんの頬に手を添えてみたが、とても冷たくて……いままで、裸のまま夜風に晒したままだったことに後悔した。
とりあえず小原さんのブラウスと私のTシャツを彼女の裸身に被せた。
このまま放置すれば、小原さんは出血多量と寒さで……長く持たない……
かといって、このままでは小原さんは……ここで、死を待つだけになる。
もう、こんな時間に真っ暗な林道を散策する人などいない。
この林道には導標も標識もない……正規の登山道などではないのだ。
回遊コースから完全に外れた未舗装の林道に……誰も来るはずがない。
森村さん達が助けに来ないのは……多分……みんな……死んでる……
恐らく、私達を襲ったヒルとは桁違いの量のヒルの大群に襲われている……
責任感の強い森村さんが……私達をほったらかしにするはずがない。
森村さん達のことを考える余裕は……今の私にはない。
私は悩んだ……小原さんを置いて……助けを呼びに下山したほうがいいのか……それとも小原さんの側にずっといてあげた方がいいのだろうか。
意識のない小原さんを放置してて大丈夫なのかしら……
山麓の立て看板には野生のニホンザルとムササビの絵が大きく描かれてたけど……蛇の絵も描いてあった……
小原さんは血を流し続けているのだから、血の匂いを嗅いで何が来てもおかしくない。
小原さんが意識の無いまま、野生のニホンザルや野犬の餌食にさせたくない。
でも、私が側にいても小原さんは、とても朝まで持ちそうにない。
私が助けを呼びに行かないことで……完全に小原さんの生存の可能性を絶つことになる……
私は悩んだ……小原さんの命が絡んでる……決めかねる状況だが……私が悩んでる瞬間でさえも……小原さんの赤い血は肉体から絞り出されている。
私の股間から足首にかけてもビッチリ蛭が瘡蓋のように張り付いている。
そして股間から太股からドロドロ血が吹き出ている。
私は極端に苛立っていた。
私は怒りにまかせ下半身に喰い付いているヒルを片っ端から、力ずくで剥がしていった。
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