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「ご馳走様でした」 両手をしっかり合わせ、空になった皿たちに感謝の意を表する山吾。 味わいながら食べたつもりだった彼だが、あまりの美味しさに思わず急いでしまったようだ。 「食器はそのまま置いといて。後で洗うから」 自分の机で頬杖をついて赤革のカバーがかかった本に目を通してつつ、赤猫は淡々と言った。 山吾は頭を振り。 「いや、自分で食べたものくらい自分で洗う。キッチン借りるよ」 「ん~」 読書に集中しているらしく、空返事な赤猫。彼はそんな彼女に苦笑しながら、食器を持ってキッチンへ向かった。 キッチンはまた別の部屋にあり、広さは六畳ほど。玄関に同じく猫のぬいぐるみがあちこちに置いてあった。 「守護像……?」 山吾は首を傾げ、キッチンの縁に置いてあるスポンジと洗剤を手に取った。
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