プロローグ

8/14
前へ
/77ページ
次へ
「あ」 しゃらんと清らかな音を立て、鈴が揺れ動く。 女性は、山吾が思うよりずっと近くにいた。 「ん?……あ、それ」 「え?」 振り向いた全身黒ずめの女性は、彼が想像していたよりずっと若かった。 ――同級生くらいだろうか。 彼はそう思うと同時に、彼女の強烈な外見に惹かれてしまっていた。 腰下まで届くかという、艶やかで浮世離れした美しい赤髪。 その中に、白磁のような肌を持つ目鼻立ち整った顔がシャープに収まっており、パッチリ開いた黒曜石の瞳が彼を射抜いている。 とんでもない美少女が、そこにいた。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加