プロローグ

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「……拾ってくれたんだ」 「あ、あぁうん。どうぞ」 山吾が首輪を差し出すと、少女は白魚のような透き通った両手の中にそれを収め、大事そうに腰のポシェットへ仕舞う。 そして、彼に微笑みかけ。 「なにか、恩返ししないといけないわね」 「え、いやぁ、そんなの別に良いって」 「良くない」 強い口調で制した少女は、興味津々に山吾の顔と身なりを観察する。
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