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――数時間後
俺は公園のベンチに座っている。
財布を姉ちゃんに預け、荷物の見張りだ。
適当な店できつきつのジーパン(スキニージーンズって言うらしい)を履かされ、ネックレスをかけられ、動きにくい革ジャンを着せられ…
とまぁ、散々な目にあって疲れたのだ。
「そのくせ、結局パーカーにきつくないジーンズだもんな…。着せ替え人形にされただけかよ。」
アクセサリー?に、銀の指輪とネックレス…無理やりつけられたけど。
ま、二人とも楽しそうにしてたし、それでいいか。
「お疲れ?」
「うぉっ!?」
突然後ろから声が聞こえた。
「どーぞ♪そんな荷物にオシャレして…で、デート?」
俺に缶コーヒーを渡して一つ隣のベンチに座った子。
俺と幼稚園から幼馴染みの"宮森 風音[ミヤモリ カザネ]"。
昔から何かと俺の世話を焼いてくれている優しいやつだ。
「ありがと。姉ちゃんとその他一名の荷物持ち…かな。」
「その他?」
ごまかし…きれるわけないよな。
正直に言うか。
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