第二話『幼女でも女は女』

2/8
前へ
/15ページ
次へ
明くる日――― 空ちゃんは俺が思っていた以上に賢く、なんとかやっていけそうだった。 今も空ちゃんが賢さを発揮している。 「おにーちゃん!おねーちゃん!朝だよー!」 川の字で寝ていた俺達、空ちゃんはいつの間にか起きていて…俺達二人は起こされている。 「あぁ?うるしゃい!」 ドスッ…と鈍い音がする。 姉ちゃんが俺と間違えて空ちゃんを蹴ったのだ。 「ご、ごめんなさいっ!」 空ちゃんは涙目になりつつも、なぜか謝っている。 「そ、空!?ごめんね!?痛かったでしょ!?」 姉ちゃんは飛び起きて、「やっちまった」と言わんばかりに空ちゃんの心配をしている。 「う゛、ううん…ごめんなさい…」 「空ちゃんは悪くないよ。だから謝らなくてもいい。」 俺は姉ちゃんを睨んでやる。 癖…みたいなものだろうね、今のは。 空ちゃんは、産みの親に虐待……されてたの…かも。 「ごめん…。」 姉ちゃんはバツが悪そうに泣きじゃくる空ちゃんを見ている。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加