平凡と非凡

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『限界突破』 俺はこの力をそうよんでいる ある条件下で出せる自分の隠れた力、または能力。 その条件っていうのが、おそらく今みたいな“ピンチに陥った時”だと俺は思っている。 逆にいえば、そうならないと発現しない力でもある。難しいものだ。 ただこれは“人間が出せる本来の力を引き出す力”らしい 人は無意識のうちに自分を制御している 『限界突破』はそれを解除する力だと俺は認識している。 つまり、これを使った後は激しい筋肉断裂による筋肉痛が一日中襲うことになり、時間、度合いによって左右されてしまう。 かなり嫌な諸刃の剣というわけだ。 「ふぅ、なんとかなったな」 『限界突破』が発現してから五分とかからなかった 『限界突破』だけではなく“羽霧流拳術”の恩恵もあるのだろうけど。 (あとは警察でも呼んで――) 何かが肌を掠めた 途端に痛みが頬からほとばしり、何かが頬をつたる 陽もおちて、空は青紫へと染まりはじめており、見えにくかったが確かな温かさからそれが 血 だとわかった。 (新手……!!) 身を屈める 目の前には五十人はくだらない黒い影が視界を闇に照らした
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