6人が本棚に入れています
本棚に追加
「さすがにこの数は避けきれねぇっ! ば、万事休す……!!」
本当に嫌なことに首を突っ込んだ。
あの時 追い掛けていなければ、今頃家でチィ姉にしごかれて傷だらけになって
それから風呂入って飯食って寝て、
明日になって、皆に会って、また陸や嘉一と一緒に馬鹿やって
そんな人生だったのに
そんな想いが俺の脳内を何度も何度も繰り返された。
目をつぶった。現実から逃れるために。
「やれ」
非情な言葉が耳をやけにつついた
「…………っくそ」
耳をふさぎ、目をつむり、最後にそれだけしか言えなかった
だがそれとは別に
「きいてた情報とえらく違うわね。数増えすぎじゃない」
有り得ない声色がその場を凍りつかせた
(女の…声……?)
俺の真正面からだ
女の子っぽい声にどこか強さを持ったような
「ったく、ほらあんたもいつまでそんな情けない格好してるつもり!? アタシが来たんだから早く立ち上がりなさい」
(アタシが来たんだから……? え、知り合い?)
恐る恐るながら顔を上げた
そこには俺と同い年くらいの女の子が威風堂々と立っていた
(いや知らない……)
やはり見覚えはなかった
最初のコメントを投稿しよう!