平凡と非凡

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「さっきの闘いっぷりを見た限りではまだまだね。全然使いこなしていないじゃない!」 「さっきの? えっ? 見てたのか!?」 「そんなことより……」 髪を後ろに束ねた、ポニーテールとかいう髪形の女の子が前を睨みなおす まだ根本が片付いていなかった。 「ガキ一人増えただけだ、やれ」 もう一度、五十人弱の人間が銃を取り直す そう。女の子一人増えたからといってこの状況が覆るはずがない。 この場にいる誰もがそう思っているはずだ ポニーテールの女の子以外は。 「あんたは下がってなさい」 「なっ、なに言ってんだやめろ! お前一人でどうにかできるはずねぇだろっ! 頼むからやめてくれ!!」 ――もう誰かの血を見るなんて 「あんたこそ何言ってんのよ。この香琳様に不可能なんてないの。いいからそこでじっとして見てなさい」 一体どこからその自信がでてくるんだよ というほどの強さを持っていた (力付くでも止めねぇと! ……!! だめだ間に合わねぇ!!) 五十人弱の人間が一斉にトリガーへと指を引っ掛けた その照準は俺と女の子。 出て来なければこの子だけでも助かったのに 怒りと悲しみと後悔とが一気に降り懸かった 「命令よ、あんたたち」 五十人弱という人間の注意が一瞬だけ女の子へと集まった 「平伏しなさい!!」
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