平凡と非凡

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「……で、あんたはただの一般人なわけね」 「まぁ、一応」 腕を組んでマジマジと俺の姿を見てくる 「…………」 「…………」 しばらくの沈黙が続く。 頼むからなにか言ってくれ。突然なにか言われると驚くから。 「よし決めたわ」 「っ!! ほら!!」 「な、なによ」 なりたくもないのに俺の肩は素直にも ビクッと反応した その反応にどうやら彼女も不意をつかれたらしいが、もうほっといてくれ。 「あんた、アタシの部下になりなさい」 「…………は?」 聞き間違いであってもらいたい。 「だから! ……言い方が悪かったのかしら。 貴方、アタシの下僕になりなさいっ!!」 「余計ヒデェわ!! ふざっけんな! どんな急展開だよっ、何様だてめぇ!」 「麒麟塚 香琳様よ!」 「ん名前訊いてんじゃねぇんだよ!! って、誇らしげに上向いてんじゃねえぇ!!」 この気品溢れ、傲慢な態度 まさか本物のお嬢様か などと思いはじめてしまっていた。 「そう、言うこときかないっていうのね……、いいわ、風!」 「はっ!」 どこからともなく執事服を着た、シルエットの細い男が現れた まさか本当に 「やって」 「……え?」 そこから先の記憶はなかった――
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