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――そうだ。思い出した
「だぁああ!! 完全にお前が誘拐したんじゃねぇかっ!!」
腕についてある枷を乱暴にも振り回す
一方の麒麟塚 香琳(きりんづか かりん)という名の女は腕を組み落ち着いた様子で
「人聞き悪いわね。話し合いで交渉しようとしたまでよ」
「どこがじゃあぁぁ!! もうすでにこっちは気絶させられてんだよぉ!」
「あれはあんたが言うこときかないからでしょうがっ! あ、ちなみにそれはあんたが暴れそうだったからつけといたわよ」
そういい指先で枷を指差す
「おい、話し合いはどこいった……。もうすでに平等さがねぇじゃねぇかよ」
広さ十二丈ほどの床に明かりが一つと椅子が一つというシンプルすぎる部屋に羽霧 星空は監禁されている
窓は向かって左側に一つと右手にはドアがあるが、それだけ。
ここがどこなのかなんて羽霧星空には見当もつかなかった。
「……っつかなんで急に」
「あんたの力を見込んで、よ。
あの時、強盗犯を相手にしたときの力、あれはただの力じゃないわ」
(俺が『限界突破』ってよんでるやつのことか……?)
羽霧星空は数時間前のことを思い出す
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