平凡と非凡

3/27
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/49ページ
――――あれは確か、いつもとは違う道をつかって帰ってたんだよな…… 桜も散った季節の頃、並木道には緑が芽生え風によって木々は揺らいでいた。 陽も傾いた時間帯に、ふと俺はいつもと違う道を通って帰った。 (またあいつに会うのも嫌だしな) などと思ってのことだ。 学校近くは都会じみた建物が多く中核市に選ばれているほどで、人もよく闊歩している 俺の家周辺と違って。 そういった場所をいつもはつかった帰路なのだが、今日はあの『元気百倍、テンションMAX少女』に振り回されたくないがためにわざと人通りの少ない道をつかってやろうと考えた。 だがどうやらそれがまずかったみたいだ。 馴れない道に場所で俺は案の定迷った 「……ここはどこだ」 見回せば見回すほど不安になってくる とりあえず焦らず落ち着こう としたのだが、 「あ……、今日って確か……! や、やばい!! 早く帰らないとチ、チィ姉に殺されるっ!!」 重大なことに気付いた。 今日はチィ姉との稽古、もとい地獄の鍛練の日 完璧に忘れていた。終わった。 (い、いや、今から全力で走って戻って帰れば!!) そんなときだった
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!