平凡と非凡

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黒塗りのワゴン車が減速し、やがてある港付近で停車した。 結局のところで前者を選んだ。 今は気付かれないように車体にへばり付いて頑張っている 「おい、盗んだもん全部降ろせぇ」 助手席から出てきた図体の大きい男が叫んだ 残りの四人が指示に従う どうやらその男がリーダーのようだ。 「よし……、時間まであと一時間ある。誰か来ねぇか見張っとけ」 そうしてリーダー格の男が車のすぐ近く あとの四人が散り散りに見回る形となった。 (誰も金の方は見てないな……。よし、ここは平和的にこっそりと奪うか) 後手に回ってしまっては不利なのがいさめない。 だからといって先手に回り攻撃を仕掛けても、囲まれて撃たれれば終わり。 後先のことを考えてそうで考えていない俺は現金が入っているであろう肌色の袋へと手を伸ばした 「交渉材料を確認しとくか」 「!!」 男が待ったなしに振り返る 嫌な脂汗が額から噴き出した 瞬間的に俺は車体の裏側へと隠れた (ばれたか……!?) 鼓動の音が胸を貫く 脈動が暴れているのがわかる
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