平凡と非凡

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乾いた砲声が鼓膜を振動させた だがそれだけ。 肝心の銃弾は俺にかすりさえしていない 無言のまま男の腹部へ拳をめり込ませた 「く、ぼぉあ……」 グラスが割れたような澄んだ音が男の骨から軋む 「まず一人……!」 そう。まだ一人だ。 あと四人相手しなければならない 一人欠けたところであまり状況は変わらない。 今の銃声を聴いて仲間が集まるのも時間の問題だろう 「さぁ……どうしようか。武器はねぇし、っつか使い方わかんねぇし」 「まさか……こんなガキが紛れ込んでたとはな……」 リーダー格の男だ。 わなわなと震えている それが怒りからか歓喜からかはわからない。 ただ、恐怖からではないだろうと言える。 こんな子供一人に臆することもない、といったところか。 俺の足元に倒れている男を見ている 「ガキが」 それだけ呟くと、リーダー格の男は容赦なく真っ黒な武器を腰から取り出した 「これはジャガー・ガンといってな。ミリ単位の銃弾が一発で何百と飛び交う銃だ。これを標的目掛けて発砲すりゃ、一気に蜂の巣ってわけよ」 (最新式の銃器か……!) 銃器の規模は片手持ちのピストル程度 それでもってのその性能だ。 おそらく先程と同じ要領ではかわせないだろう
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