6人が本棚に入れています
本棚に追加
乾いた砲声が鼓膜を振動させた
だがそれだけ。
肝心の銃弾は俺にかすりさえしていない
無言のまま男の腹部へ拳をめり込ませた
「く、ぼぉあ……」
グラスが割れたような澄んだ音が男の骨から軋む
「まず一人……!」
そう。まだ一人だ。
あと四人相手しなければならない
一人欠けたところであまり状況は変わらない。
今の銃声を聴いて仲間が集まるのも時間の問題だろう
「さぁ……どうしようか。武器はねぇし、っつか使い方わかんねぇし」
「まさか……こんなガキが紛れ込んでたとはな……」
リーダー格の男だ。
わなわなと震えている
それが怒りからか歓喜からかはわからない。
ただ、恐怖からではないだろうと言える。
こんな子供一人に臆することもない、といったところか。
俺の足元に倒れている男を見ている
「ガキが」
それだけ呟くと、リーダー格の男は容赦なく真っ黒な武器を腰から取り出した
「これはジャガー・ガンといってな。ミリ単位の銃弾が一発で何百と飛び交う銃だ。これを標的目掛けて発砲すりゃ、一気に蜂の巣ってわけよ」
(最新式の銃器か……!)
銃器の規模は片手持ちのピストル程度
それでもってのその性能だ。
おそらく先程と同じ要領ではかわせないだろう
最初のコメントを投稿しよう!