424人が本棚に入れています
本棚に追加
「こんにちは」
「こんにちは」
俺は人形を1体ずつ手に持ち交互にお辞儀させる。
もちろん声色を変えて。
「今日も天気がいいですね」
「絶好の散歩日和ですね」
……こんな会話があり得るのだろうか。
余りの才能のなさに鬱になる。
はぁ……どうしようか。
途方に暮れていると突然ドアが開き女性が部屋に入ってきた。
「目が覚めたんですね。よかった」
言いながらベッドのそばまで歩いてくる。
金髪に青い目。外国の方だろうか。
一見すると怖そうに見えてしまう端正な顔立ちと長いストレートの髪が印象的だな。
「ここは?」
「私の部屋です。家のそばに倒れていたので慌ててこちらに運んだんです」
「そうだったんですか。ご迷惑おかけしてすいません」
「いえいえ。困った時はお互い様ですから」
そういって笑顔を見せてくれるがあまり直視出来ない。
慣れてないんだよ。女性。
最初のコメントを投稿しよう!