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「……先輩」
多分、あたしのことだ。
だって、もうすでに、あたしを見てる。
「…はい?」
誰だろう。知らない。
向こうは、私を知ってるの?
「…いい加減にして下さい。着いてこないでくれません?」
「はあ?」
初対面、第一声が…それ?
意味不明。理解不能。
今起きてる出来事に、頭が追い付かない。
「告白なら…さっき断りましたよね?俺、誰とも付き合う気ありませんから」
こ、告白。されたんだ…じゃなくて!
「…勘違い…というか、人違いしてない?」
言いたかったそれが、やっと出てきた。
美少年は、眉を歪ます。
不謹慎にも、そんな表情も夕焼け空と同じくらい綺麗。
「……散々付き纏って、それは無いでしょ、先輩」
「いやだから、人違いなの!
あたしは、あなたを知らないし、告白もしてないし。
ていうか、仮にも告白してきたんだから、顔くらい覚えなよ」
そうだ、その通り。
我ながらナイスなことを言うなあと自分を持ち上げる。
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