ゲームスタート。

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『んー?先輩、俺が言ったこと忘れてないですか?』 んげ。コイツ、意外に根に持つタイプ? 「何のことだろー」 忘れてない。 ワザと、しなかっただけ。 『んじゃあ言ってあげます。 メールか電話して、って言いましたよね?俺。 記憶力のいい先輩のことだから、覚えてると思ったんだけどなあー』 痛いところを突いてくる。 悔しさを覚え、「くっ…」と思わず声を零してしまう。 「…こ、これからしようと思ってたの!」 『あれ?先輩、忘れてたんじゃなかったっけ?』 彼の愉快そうな声に、またもや悔しさを覚える。 コイツ…賢いな。 よく頭が回る男だ。 『…言い訳はなしです。 往生際が悪いですよ』 「…スミマセンでした」 何であたしが謝る? しかも、年下相手に。 きっと、電話口のアイツはさぞかしいい気味だ、と笑ってるに違いない。 『じゃあ先輩、明日の昼休み、1-B来て下さい』 「何で私がっ」 『いいですよね、それくらい。 だって先輩は、悪いことしたから謝ってるんですよね?』 「……」 正論に押し黙ってしまう。 『じゃあ、お休みなさい。先輩』 切られた。だから私も切る。 今度こそ寝よう。 私は寝に就いた。
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