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高校二年、恐らく人生の中でもっとも青い春を満喫するであろう時期を過ごしているこの俺、菅崎六九(かんざきむく)は町中で喧嘩を売られていた。
突然の出来事で大変申し訳ないのだが、これを喧嘩を売られた以外になんと言う。
肩がぶつかったのは素直に謝ろう。うん、申し訳ない。
その場で謝りもした。どちらかと言えば人との付き合いが苦手な俺は、ついつい頭も下げて謝った。
それなのに、俺がぶつかってしまった相手は今もなお、俺をにらみ続けている。
いったい何をご所望なのか?
…まさか命とはいわないだろう。
しかしよく思うのがあの台詞、「欲しいのは、お前の命だ!!」というのだ。命をどのように差し上げればいいのだろうか?全く見当がつかない。
これが私の命です、と一休さんのようにとんちをきかせて何かを差し出せばいいのだろうか。
…いや、それは不味いだろ。目を血ばらせて己の首を刈ろうとしている者にそんなことをしたら、まさに火に油を注ぐ結果になる。
話がずれてしまった。今は目の前のことに集中しなければ。
とりあえず、喧嘩を売ってきているこの方に、相応しい貢ぎ物を差し出した。
「飴ちゃんだ。これを渡すから睨まんでくれ」
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