噂とは、誠に奇なり

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「場所って…」 俺は自分の足下を見る。そこら辺の道と何ら変わらないただのコンクリートの道路。 何かが描かれているわけでもなく、何かが落ちているわけでもない。 「…なんでこの場所が欲しいんだ?」 俺がそう聞くと、少女は何かを口にしかけたが、すぐに口を閉じて不機嫌そうな顔をした。 「そんなの、あんたには関係ないでしょ」 「関係ないって…そりゃそうだが…」 まあ俺も単なる好奇心で聞いただけだし、俺と少女はあかの他人だ。関係なんぞ、全くない。 少女もこれ以上は何も言う気がないらしい。 俺はその場所からどいて、少女の横に行く。 「ほら、これでいいんだろ」 それだけ言い残し、俺は学校へ歩き出した。
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