思い出

4/6

13人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
「ほら…もう泣かないで?あの男にひどいこと…されたの?」 髪を乾かし終わって咲お兄ちゃんは布団に連れ込んで 優しく抱き締めてくれた。 「こ…婚約者の方が…きてっ…別れろって…あきちゃん…来なかったし…うぇー…」 私は泣き顔が恥ずかしくて 咲お兄ちゃんの胸にしがみついたけど バレバレだったみたいで 咲お兄ちゃんは 「泣き顔も可愛いよ」とおでこにキスしてくれた。 「もう…やめなよ。僕なら泣かせたりしない。 百合ちゃん…僕を選んで…?」 ドクン…っ 「咲…お兄ちゃん…?」 驚きで涙は止まり心臓がはねた。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加