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朝礼が始まった…
部長である仁さんと、葛西課長が前に立ち、営業部員が申し送りをしている。
「以上です。」
「各自、今月の目標数字を超えるつもりで頑張ってくれ。」
「はい!」
いつもであれば、これで解散なのだけれど…
仁さんのいつもの「解散!」の掛け声がないことに、営業部員達も戻っていいものか、とまどっているようだった。
「私事で恐縮なんだが…
この場を借りて報告させてもらいたい。」
仁さんの突然の発言に周りがざわついた…
仁さんが私を見る。
私の隣に居た環さんが、私の肩に手を置いて、仁さんの横へと誘導してくれた…
突然、私が前に出て来た事によって周りのざわつきは増す…
横には堂々とした仁さん。
「来月、結婚することになった。波澄は仕事を続けるが、今までと変わらずによろしく頼むな。」
そう言って、私の肩を引き寄せた…
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