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「…もぅ!おとうさん、まだ早いよ?」
汐里ちゃんが黒いモーニング姿で俯く、お父さんの背中を叩いた。
「…泣いてないぞ。」
うそばっかり…
肩が震えてる。
新婦控え室に入ってくるなり、大きく目を見開いたと思ったら、すぐに俯いたお父さん。
もう…
つられちゃうじゃない…
今日は泣かないって決めたのに。
「父さん、気持ち分かる…」
後ろから入ってきた海君が、お父さんの肩に手を置く。
「…優ちゃん、綺麗だよ。
……結婚…おめでとう…
幸せになって。」
目を赤くした海くんが、まっすぐに私を見て、優しく声を掛けてくれた。
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