8338人が本棚に入れています
本棚に追加
/99ページ
―優凪side
「…仁さん?」
まっすぐ前を待て歩く仁さんに不安になって声をかけた。
「ん?」
振り返った顔は優しかったけど、やっぱりいつもの仁さんでなくて…
うまく会話が繋がらない。
もう、祥ちゃん…
元彼だなんて言わなくても!
間違いじゃないけど…
でも、別れた理由が理由だし…
なんでわざわざ…
仁さんに言わなきゃいけなくなるよ…
隠し事はしたくない。
でも…言っていいのかな?
今、もしここに仁さんの元カノが現れたら?
やっぱり嫌だな…
しかも『元彼女です』なんて言われたら…
…ヤダヤダ!旅行楽しめないよ。
うん、私の口からキチンと言った方がいい。
「仁さ…「優凪?荷物置いたらショッピングでも行く?」
「えっ?ああ、うん!」
「こっちは雨はめったに降らないし、気温が高いから乾燥してるんだ。出歩くときの水分補給用の水は必須だぞ?」
「そ、そうなんだ?」
突然、いつも通りに仁さんが話し出したから、なんだか言い出せなくなっちゃった…
大丈夫…なのかな?
こんな事でヤキモチ焼くのは私くらいかな!
…そうだよね。
うん。
最初のコメントを投稿しよう!